バイオメディカルサイエンスの新展開に対応した動物実験施設での教育訓練のあり方
【研究分野】実験動物学
【研究キーワード】
実験動物 / 教育訓練 / ビデオプログラム / 実験動物福祉 / 情報
【研究成果の概要】
本年は当研究の最終年度であり、これまでの研究の成果を集大成した。本研究は、その性格上、動物実験研究教育訓練に関するソフトウエアの策定が第一義となるので、昨年度に引き続きその趣旨に沿い、小グル-プの会議を頻般に行った。これらの会議により昨年度ひろい出された動物実験研究教育訓練の項目に沿って組織された微生物専門委員会、遺伝専門委員会、胚操作の専門委員会においてビデオテ-プによるソフトウエアの製作の仕上げを行った。すなわち総合タイトル “実験動物科学体系" である。
本年度は、まず遺伝専門委員によるビデオの第四巻目が森脇を中心にして “遺伝的にモニタリング" として刊行された。この中では、分子レベルを中心とする近年の遺伝学の発展に伴い、明らかとなった生物機能の根底である遺伝子を実験動物の系統の標識として用いる検査と実験動物の遺伝的品質管理の技術が紹介されている。
また胚操作専門委員会では “ヒト疾患モデルマウスの作製" と題してトランスジェニックマウス作製法、及びマイクロインジェクション法、及びその基礎となる種々の胚操作を紹介している。とくのこのビデオでは遺伝性のヒト疾患の具体的な症例を呈示し、その治療法確立のための実験動物の重要性が良く理解できるよう編集されている。さらに山内を中心に “実験動物アレルギ-、現状と対策" 、山之内を中心に “腎症候性出血熱から学ぶもの" の2本のビデオを製作し、動物実験施設に関与する人々の安全面からのアプロ-チの解説を行った。
これらのビデオ教材とこれまでに蓄積した研究成果の一部を用いて実験動物に関与する技術者の教育シミュレ-ション、 “実験動物に関する教育訓練セミナ-" を、受講生を全国公募し多数の協力で行った。こうして本研究は理念だけでなく実践的な成果を伴って終了した。
【研究代表者】