光結合性DNAとマイクロリアクタによる大規模高速アクエアスコンピューティング
【研究分野】生体生命情報学
【研究キーワード】
DNAコンピューティング / 分子メモリ / マイクロ流体デバイス / 光遺伝子操作 / アクエアスアルゴリズム / NP完全 / 超並列 / 保護基 / アクエアス・コンピューティング / 分子メモリー / テンプレート法 / 光結合性DNA / ドロップレット
【研究成果の概要】
DNAコンピュータには、(1)配列設計、(2)スケール、(3)信頼性の3つの課題がある。本研究は、配列設計不要(1)なアクエアスコンピューティングにおいて、光反応性DNAなどの有機化学的書込みによるスケールアップ(2)をはかり、マイクロ流体デバイス化によって高信頼化(3)を実現することを目的とした。
山村によるアクエアスシステムの構築では、光結合性DNAを用いて20塩基11語からなる配列セットに関する書込み実験によって、4ビットの計算が可能であることを示した。
藤井によるマイクロ流体デバイス上での微量液滴ハンドリング技術の開発としては、デバイス周辺技術等の整備を行い・オンデマンド(任意の液体・量・タイミング)式で液滴(約160pL)の生成・合一の操作が可能となった。またDNA-PNA分子の反応・電気泳動分析をデバイス上で連続的に実現できた。
清尾による有機化学的書込み技術の開発としては、トリチルチオ基の酸化的脱保護を利用した分岐DNAの合成を検討した。分岐ポイントとして、トリメシン酸のカルボキシル基からアミドを解して3つの水酸基を導入した誘導体を用い、各水酸基に対し、DMTr保護、TrS保護およびホスホロアミダイトへの変換を行い分岐ユニットとした・この分岐ユニットを用いて分岐DNA30量体の合成条件を種々検討したところ活性化剤にACT42、酸化剤にCSOを用いた場合にもっとも高純度かつ高収率で分岐DNAを合成することができた。
藤本による光DNA操作の基礎技術開発としては、光連結だけでなく光照射によるDNA光解裂反応の開発を行なった。チミンダイマーを含むDNAを用いて光解裂実験を行なったところ、光増感剤であるカルバゾールを含むDNAを用いると触媒的に光解裂できることを見出した。従来の光ライゲーション反応に加えて光解裂反応もアクエイアスコンピューティングのツールとして利用可能となった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
清尾 康志 | 東京工業大学 | フロンティア創造共同研究センター | 助教授 | (Kakenデータベース) |
藤井 輝夫 | 東京大学 | 生産技術研究所 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
藤本 健造 (藤本 建造) | 北陸先端科学技術大学院大学 | 材料科学研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2005 - 2006
【配分額】49,530千円 (直接経費: 38,100千円、間接経費: 11,430千円)