健康情報のデジタルトランスフォーメーション化に向けた生体貼付型デバイスの開発
【研究キーワード】
エラストマー / 導電性インク / 生体計測 / 機械学習 / デジタルトランスフォーメーション / 薄膜状デバイス / フェニルボロン酸 / ハイドロゲル / グルコース / インクジェット印刷 / 櫛型キャパシタ / インピーダンス / 高分子ナノ薄膜 / 無線通信
【研究成果の概要】
本研究では、異種次元の材料と造形技術の融合を進めることで、電池不要で作動可能な無線通信式の生体貼付型バイオセンサの開発を目的とし、機械学習による周波数解析を通じて健康情報のデジタルトランスフォーメーション化を目指す。令和3年度の成果は以下のとおりである。
フェニルボロン酸(PBA)からなるハイドロゲルならびにインクジェット印刷にて作製した櫛形キャパシタを統合した薄膜状デバイスを作製した。櫛型キャパシタ上に担持したPBAハイドロゲルの膜厚とインピーダンス変化の関係性を評価するため、グルコース濃度を0 mg/dLから18 mg/dLまで上昇させた際のインピーダンスの変化率をLCRメータを用いて測定した。その結果、PBAハイドロゲルの膜厚が、100 um, 200 um, 400 umのいずれかを有する場合において、インピーダンスが減少した。
グルコース濃度が上昇することで、グルコースとフェニルボロン酸間の結合が促進され、ハイドロゲル中におけるフェニルボロン酸分子由来の負電荷が増加したためと考えられる。すなわち、PBAハイドロゲルが一定以下の膜厚を有する時、ゲル内の負電荷の比率の上昇に伴う静電容量の変化が薄膜状キャパシタによって検出が可能になり、最終的なインピーダンスの変化に繋がったと考えられる。本結果とPBAハイドロゲル層の構造的安定性の観点から、最終的にPBAハイドロゲル層の膜厚を200 umに設定した。
【研究代表者】