1細胞核クロマチン構造解析による褐色脂肪分化の制御メカニズムの解明
【研究キーワード】
クロマチン / シングルセル / 遺伝子発現 / 褐色脂肪細胞
【研究成果の概要】
マウス褐色脂肪細胞分化過程において各々のクロマチン構造がどのような順番で変化していくかは知られていない。申請者は、マウス褐色脂肪細胞化過程におけるクロマチン構造の変化に興味を持ち、1-100細胞程度の微量細胞数を用いたクロマチン構造解析法を完成させた。本研究では、今までは細胞数が少なく解析が困難であった、褐色脂肪前駆細胞から褐色脂肪細胞への分化各段階におけるシングル核クロマチン構造解析(オープンクロマチン領域の同定)及びシングル核発現解析を行い、褐色脂肪細胞分化を促進させる新規転写因子を同定していく。また、新規転写因子が褐色脂肪細胞のクロマチン構造をどう変化させうるのかを、少数細胞を用いたChIP-seq解析およびシングルセル発現解析を用いることによって明らかにすることを目的とした。
申請者は準備として、褐色脂肪細胞核におけるシングル核発現解析を行い、1細胞毎に各々遺伝子発現が大きく異なることを見出した。そこで、これらの遺伝子発現変化を指標として、(a)クロマチン構造変化を同定し、(b)新規転写因子の同定へとつなげ、(c)(d)それら新規転写因子とクロマチン構造変化の関わりを解明を試みた。現在、タイムポイントとして、分化前(Day0)、分化初期(Day1-2)、分化中期(Day4)、分化後期(Day6-8)を選択し、各時期特異的な遺伝子発現を同定することに着手している。今後(b)褐色脂肪分化を促進させる新規転写因子の同定として、(a)で同定したオープンクロマチン領域は、転写因子が結合しやすい領域であり、転写因子結合モチーフを多く含んでいるため、新規転写因子モチーフを同定し、転写因子の褐色脂肪分化における役割の解明を目指す。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)