無細胞タンパク質合成系とペプチドタグを利用したフォールディング進化系の確立
【研究キーワード】
フォールディング / 質量分析装置 / 無細胞タンパク質合成系 / タンパク質フォールディング / 質量分析 / ショットガンプロテオミクス
【研究成果の概要】
前年度に引き続き、未だ予測することが難しいタンパク質フォールディングについての理解を深めるために、ペプチドタグとナノLC-タンデム質量分析装置を利用した試験管内でタンパク質フォールディングを進化させる実験系の構築を目指している。
前年度に見出したペプチドタグを元にして、1ないし2アミノ酸の点変異を加えることによりその種類を大きく増やすことに成功した。ごく一部、うまく測定できないタグが見受けられたが、大部分についてはモデル系で問題なく定量評価が可能であることを確認することができた。現状では100種類以上のタグが1度の測定に利用できるというところまで準備が進んでいる。また測定の条件設定についても、別々に翻訳反応を行うよりも1つの試験管の中で異なるmRNAを混ぜたものをヘテロに合成させたほうが測定結果のばらつきが少ないということもわかったので、この知見を今後の実験条件の設定に役立てたい。
特定のタンパク質を対象としたスクリーニングの系の構築については、遺伝子ライブラリの作成の遅れや、ペプチドタグの種類の検討のためにまだ実現できていない。前者はおおむね目処がついたが、後者については、当初の予想よりも質量分析装置での測定を数多くこなさなければならなさそうだということが見通されてきたため、逆相LCでの保持時間が大きく異なるペプチドタグについても新たに検討を行い、測定の効率化を目指している。保持時間が大きく異なるペプチドタグについては既に一部が実用できそうなところまで来ているが、さらに種類を増やして測定の効率を上げていきたい。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)