RNAエピジェネティックスと高次生命現象
【研究分野】生物分子化学
【研究キーワード】
RNA修飾 / tRNA / リボソーム / タンパク質合成 / マススペクトロメトリー / エピトランスクリプトミクス / RNA修飾病 / tRNA, mRNA, rRNA / RNAマススペクトロメトリー / tRNA修飾 / f5C修飾 / 遺伝暗号の解読 / ht6A修飾 / ミトコンドリアタンパク質合成系 / pre-tRNA capping / N4アセチルシチジン / rRNA
【研究成果の概要】
本研究はRNA修飾が関与する生命現象を明らかとすることを目的とした。主な成果として、mRNAにおけるキャップ依存的な新規m6Aメチル化酵素の発見、酢酸イオンを基質とするRNAアセチル化酵素の発見、炭酸ガスに敏感なtRNA修飾とワールブルク効果との関係、メタボライト濃度に応じて変動するtRNA修飾、tRNA前駆体におけるキャップ修飾の発見、リボソームのアッセンブリーを司るrRNAメチル化修飾、5ホルミルシチジン修飾の生合成などが挙げられる。これらの知見はRNA修飾が担う機能的かつ生理的な役割の理解に大きく貢献するものである。
【研究の社会的意義】
本研究において、私たちは、RNA修飾が関与する生命現象の理解とその分子機構を探求している。特に、RNA修飾が欠損することがヒトの疾患の原因となることを世界で初めて示し、RNA修飾病(RNA modopathy)という疾患の新しいカテゴリーを提唱した。ヒトのミトコンドリアtRNA修飾の生合成機構を研究する過程で、tRNA修飾の欠損がミトコンドリア病の原因であることを突き止め、具体的な治療法や創薬のための基盤的知見を提供している。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(S)
【研究期間】2014-05-30 - 2019-03-31
【配分額】195,260千円 (直接経費: 150,200千円、間接経費: 45,060千円)