拡張した人工生命を研究するための革新的な実験システムの開発と実験
【研究分野】感性情報学・ソフトコンピューティング
【研究キーワード】
主観的時間 / カオスニューラルネット / ビデオフィードバック / アート / 自律性 / 人工生命 / サウンドスケープ / boid / センサーネットワーク / ロバストネス / ニューラルネット
【研究成果の概要】
人工生命の応用技術は、日常生活の人の経験を拡大することを目的とする。すなわちそれは新しいアフォーダンスのためのデザイン技術でもある。環境は人々にどうやって相互作用するかを要請するものであり、これをアフォーダンスという。なにか新しい経験をした時には、それとどう相互作用し知覚したか、ということで記憶する。最近の神経科学の研究では、デフォルトモードネットワーク(DMN)という考えが明らかになった、がこれは脳システムのベースラインの活動状態に対応する。人工生命の自律性というものも、このDMNという観点で理解されるべきで、これがベースラインの活動を自律的に作り出し、外部からの入力に備え、人との相互作用を可能とする。したがって、人工生命の技術への応用は、適切なDMNを作ってアフォーダンスを構築し、それを応用技術のデザイン原理とすることにある。本研究では、Mind Time Machine"MTM"と呼ぶ、マシンを構成し、1日10時間休みなく動いて、環境から15台のカメラで視覚情報を受け取り、それを記憶し、システムの時間を自己組織化する。システム内部では、カオスをつくれる神経回路網が装填され、メタダイナミクスとして、ビデオフィードバックがつくられる。このシステムをハードウェアとして用い、DMNを概念装置として用いることで、MTMの自律的な振る舞いを調べる。本課題ではMTMを試験台として、人工生命応用技術のデザイン原理を提案するものである。
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的萌芽研究
【研究期間】2010 - 2011
【配分額】3,150千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 150千円)