浮体構造物におけるスロッシング応答計算法の研究
【研究分野】海洋工学
【研究キーワード】
スロッシング / スラミング / 流体衝撃 / 連成応答 / 数値計算法 / 浮体構造物 / 衝撃荷重 / 動的応答 / 数値シミュレーション
【研究成果の概要】
浮体構造物に液体貨物を格納する場合,タンク内に格納された液体貨物の動揺(スロッシング)により,タンク構造に過大な流体衝撃荷重が作用し構造系の損傷事故が発生する危険性があるため,多くの模型実験が実施され衝撃圧力の計測等が行われてきた。しかしながら,衝撃圧力や構造系との連成応答の実用的解析手法は必ずしも確立されておらず,実験的研究の成果はタンク構造系の設計に対し有効に活用されていなかった。このため,実際の設計の現場では,依然として損傷実績の逆解析等に基づく半経験的な手法で設計荷重を設定し,静的な構造解析を行うという旧来の方法が採用されていた。この状況はタンク内の液体貨物のスロッシングの問題に限らず,船舶や海洋構造物に対する流体衝撃現象一般に言えることである。
本研究では,以上のような設計法の不十分さを改善し,精度よい構造評価を可能とするために,研究代表者らが開発した荷重推定シミュレーションプログラムをベースに構造系の動的応答解析機能を追加し,衝撃荷重に対する構造系の応答(変位,応力等)を流力弾性問題として解析する実用的な方法を開発することを目標として3カ年の研究を行った。
これらの研究の成果は,大別して以下のようにまとめられる。
(1)流体衝撃荷重の数値計算法を改良・整備した。
(2)流体衝撃荷重を考慮した構造物の形状最適化法を検討し,その結果をまとめた。
(3)流体衝撃荷重と構造物の動的連成応答の数値計算法を開発した。
(4)流体衝撃荷重の船体応答(剛体運動,衝撃加速度)への影響を研究した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
山下 誠也 | 石川島播磨重工業(株) | 技術研究所 | 課長 |
有馬 俊朗 | 技術研究所 | 研究員 |
多部田 茂 | 横浜国立大学 | 工学研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
井上 義行 | 横浜国立大学 | 工学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】1995 - 1997
【配分額】5,000千円 (直接経費: 5,000千円)