積層造形における製造要件を考慮した一気通貫型の高速最適設計法の構築
【研究キーワード】
トポロジー最適化 / 構造最適化 / 最適設計 / 金属積層造形 / Additive Manufacturing / 金属3Dプリンタ / Design for AM / 有限要素法 / 熱変形
【研究成果の概要】
本研究では,金属積層造形における熱変形や積層可能な角度の制限など,造形時に発生する課題を設計段階で考慮可能な高速最適設計法の構築を目的としている.
本年度は造形過程で発生する不均一な熱変形,残留応力の要因となる熱散逸に着目し,造形時の熱散逸を考慮したトポロジー最適化法の構築に取り組んだ.
はじめに,造形時の熱履歴を表す数理モデルを非定常熱伝導方程式に基づいて定式化し,有限要素法に基づく数値解析アルゴリズムを構築した.具体的には,要素を積層方向に一定の厚みで分割し,各層における材料物性値のスケーリングの有無によって材料の積層を表す手法を確立した.そして下層から順次熱源を与えることによって造形時の熱履歴を表すことに成功した.また本手法は層全体を熱源として扱うことにより,従来用いられてきた移動熱源に比べて計算量を低減できる特徴を持つ.二次元モデルを対象として数値解析を行った結果,熱源を与えた層内に温度分布が生じたことから形状によって熱散逸が異なることを示した.
次に,数理モデルに基づいて熱散逸を最大にするための最適化問題を定式化し,レベルセット法に基づいたトポロジー最適化法及び最適化アルゴリズムを構築した.二次元及び三次元モデルに対して最適化を行った結果,いずれのモデルにおいても熱散逸が向上したことを確認し,方法論の妥当性及び有効性を示した.また,これらの研究成果は国際学術雑誌に掲載されるに至った.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
山田 崇恭 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)