先端的宇宙技術の早期実証を可能にする超小型衛星システムの開発と軌道上運用
【研究分野】航空宇宙工学
【研究キーワード】
人工衛星 / 航空宇宙工学 / 機械力学・制御 / システム工学 / 設計工学 / 超小型衛星 / 天体観測 / リモートセンシング / 放射線対策 / PDA / APD / Cute-1.7+APD / PRISM / Cute-1.7
【研究成果の概要】
本研究では、超小型衛星用分離機構1の軌道上実証システムの開発を行い、2005年7月にM-V-6号機にて打ち上げ実験を行い成功した。並行して、超小型衛星Cute-1.7+APDを提案して、PDAなどの民生品を用いた衛星バス機器、APD、磁気トルカを用いた姿勢制御、超小型テザー伸展機構の軌道上実証を目指した。本衛星はM-V-8号機により、2006年2月に打ち上げに成功し、約1ヶ月の運用を行った。さらに、この運用を通して得られた様々な知見を生かして大幅に改良設計を施したCute-1.7+APDIIの開発を進め、独自開発した太陽センサ、磁気センサ、ジャイロ、小型カメラ画像、磁気トルカを統合した姿勢制御シミュレータの開発を行った。さらに、優れた低ノイズ特性を持つAPDを開発し、ゲインの自動温度補償、素子の放射線耐性強化と大型化、Al蒸着を用いた太陽遮光など、宇宙利用のため世界に先がけて開発した。本衛星は、2007年の夏期にインドのPSLVを用いて打ち上げる予定である。次に、XI-Vの開発を進め、2005年10月にロシアのCOSMOSで打上げに成功し、現在まで1年5ヶ月にわたり運用を実施し、高度化した画像取得機能の確認、JAXAが開発したCIGSという新型太陽電池の軌道上実証を行い、放射線劣化のない良い世界初のデータが得られた。さらに高分解能の地球観測を行う5kg衛星PRISMの開発を行い、バス系の高度化と同時に、伸展マスト、オートフォーカス機構等のミッション系の研究も進めた。打ち上げに関してはJAXAのH-IIA公募に応募し、2008年夏期の打ち上げに向けて、BBMからEMフェーズに移って、設計の詳細化、機器の機能実証、宇宙環境試験を実施した。超小型衛星の適切なアーキテクチャと開発の方法論、打ち上げに向けての国際調整の方法、運用法など多くの成果が得られた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
中須賀 真一 | 東京大学 | 大学院工学系研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
片岡 淳 | 東京工業大学 | 大学院理工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2004 - 2006
【配分額】49,530千円 (直接経費: 38,100千円、間接経費: 11,430千円)