LiNO2の役割の詳細分析によるASRと鋼材腐食抑制機構の解明と維持管理への展開
【研究キーワード】
亜硝酸リチウム / ASR / 鋼材腐食 / 抑制機構 / 数値解析モデル / 鉄筋腐食 / 塩害 / 中性化 / 複合劣化
【研究成果の概要】
本研究は、ASRと鋼材腐食の二つの劣化事象がともにかつ有効に治癒できる亜硝酸リチウムによる抑制メカニズムを解明するとともに、完治から次の更新期までその効果を適切にモニタリング・評価できる数値解析手法を開発することが目的である。
研究の初年度であるが、コロナ禍の県外への移動が自粛される中、以下の知見を得た。
1.亜硝酸リチウムによる鉄筋腐食の抑制に関しては、まず、亜硝酸リチウムの有無による酸化生成物の組成分析を通じて、鉄筋腐食抑制メカニズムを検討した。ここでは、健全、塩害、中性化、複合劣化を受けた環境を模擬し、新設当時に予め混入した亜硝酸リチウムの影響を検討する目的である。塩害や中性化およびその複合劣化において、粗な酸化物が生成物するものの、亜硝酸リチウムを添加すると、緻密な酸化物が生成することを確認した。
次は、亜硝酸リチウムの吸湿作用による、鉄筋腐食状況を検討するため、異なる相対湿度に制御された環境と制御されず、亜硝酸リチウムの吸湿効果による変化される環境での亜硝酸リチウムの役割を検討した。 その結果、亜硝酸リチウムの吸水により、鉄板表面には厚い水膜が形成し、相対湿度が高い環境で生成する腐食生成物と同様な酸化物が生成されていることを確認した。
2.亜硝酸リチウムによるASR抑制に関しては、人工的にASRゲルを合成し、 亜硝酸リチウムの化学的な影響、吸水作業による物理的な影響を検討した。その結果、ASR抑制のメカニズムがおおむね解明した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
王 眺 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 特任助教 | (Kakenデータベース) |
高橋 佑弥 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)