ひずみ記憶型センサーを用いた構造物自動損傷度検出システムの開発
【研究分野】構造工学・地震工学
【研究キーワード】
センサー / 最大値記憶センサー / モンテカルロフィルター / カルマンフィルター / 構造損傷同定 / 遺伝的アルゴリズム / ヘルスモニタリング / 光ファイバー / 最大歪記憶センサ / 弾性座屈 / キャパシタンス / システム同定 / 適応型モンテカルロフィルタ / 非線形構造システム / 逐次線形化法 / 微動計測
【研究成果の概要】
非線型構造同定アルゴリズムとそれを内蔵した構造物の自動損傷検出システムを開発した。研究期間の前半は、センサー部の開発を主体とし、まず、最大ひずみあるいは変位を記憶するセンサーの開発を行う。常時は動的ひずみや変位の実時間計測が可能で有り、構造物が有るレベル以上のひずみまたは変位を受けた場合には、最大値の情報を記憶できるようなメカニズムとなっている。さらに、光ファイバーを用いて地盤-構造物系の動的ひずみ計測システムを開発する。初年度と次年度に、研究分担者が独自に開発している適応型カルマンフィルター、忘却機能を有するニュロカルマンネットワーク、H無限大フイルターなどの最新のシステム同定アルゴリズムを高速演算処理装置上で実行できるシステムを開発した。また、自己学習機能を有するシステム同定アルゴリズムを用いることにより、構造系が損傷を受けたときにそれを自動的に検知するためのアルゴリズムを構築した。最終年度に、ひずみ計測システムと構造同定システムをワイヤレスで結合した構造損傷検出システムを開発した。ワイヤレス計測システムはサンプリング時間間隔0.01secで、データの離散化の同期が1ms以内で可能なシステムとなっている。開発されたシステムは最大応答値記憶型センサーと複数のマイクロコンピュータを結合した並列計算が可能な解析システムから構成されており、構造系の自由度が100程度であれば、常時微動や地震動に対する構造物応答のデータを実時間で処理をし、構造系の健全度と損傷度のほぼ実時間判定が可能なシステムとなっている。
【研究代表者】