高電圧スクリーニング法によるセラミックスの高信頼性化に関する研究
【研究分野】無機工業化学
【研究キーワード】
セラミックス / 強度 / 信頼性 / 高電圧 / スクリーニング
【研究成果の概要】
我々は既に高電圧印加により、機械的に弱い部材を抜き取る高電圧スクリーニング法を提案し、いくつかの系で実証している。本研究では、応力分布の異なる機械強度試験(三点曲げ、四点曲げ、二軸曲げ)を用い、その機械強度と絶縁破壊強度の相関について検討し、高電圧によるスクリーニングの試験方法依存性について知見を得た。
絶縁体試料としてチタニアセラミックスを用いた。市販粉末を一軸加圧により、直方体および円筒形に成型後、1400℃、3h焼成によりバルク試料を得た。ダイヤモンドカッターおよび手研磨により、4×12×0.3mm3およびφ=14mm,t=0.3mmの薄片試料を作製し、前者は三点曲げおよび四点曲げ試験に、後者は二軸曲げ試験に用いた。それぞれの場合について試料片を120枚作製し、半数でスクリーニング前の機械強度と絶縁強度の分布を測定し、30%の試料が絶縁破壊するスクリーニング電界を求めた。これを残りの試料に印加してスクリーニングを行い、絶縁破壊しなかった試料について機械強度分布を求め、スクリーニング前の分布と比較した。
スクリーニング前の機械強度の平均値は三点曲げ:188MPa、四点曲げ:128MPa、二軸曲げ:77MPaとなり、有効体積が大きくなるにつれ平均強度が減少することを確認した。スクリーニング前後の四点曲げ強度分布から、スクリーニングにより、低強度側が高強度よりにシフトし、強度分布が小さくなることがわかった。応力によるスクリーニング(保証試験)の理論線と比較すると、高電圧スクリーニングの結果はスクリーニング前と応力スクリーニングの中間に位置することがわかった。応力スクリーニングとの関係を三点曲げと四点曲げで比較すると、後者に対する高電圧スクリーニングがより応力スクリーニングに近いことがわかった。これは四点曲げの最大応力範囲が三点曲げに比べて大きく、高電圧スクリーニングの電界により近いためであると思われる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
竹田 俊二 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
中村 吉伸 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】萌芽的研究
【研究期間】1999 - 2000
【配分額】2,100千円 (直接経費: 2,100千円)