共鳴核反応を用いた表面層水素原子の高分解能深さ分析
【研究分野】応用物性
【研究キーワード】
水素 / 固体表面・界面 / 共鳴核反応 / 深さ分析 / タンデム加速器 / 表面水素の検出 / 高分解能深さ分析 / 単色性高エネルギービーム / タンデム型加速器 / 界面水素 / 負イオンビーム / イオン源 / 単色性のよいビーム / 表面・界面水素 / 表面物性 / 岩石中の水 / 表面水素 / 超高真空 / 低速電子回折 / 水素の吸蔵 / タンデム型イオン加速器
【研究成果の概要】
共鳴核反応を用いた水素の高分解能深さ分析法の開発を行った。
6.385MeVの^<15>Nビームは東京大学原子力総合センターのタンデム型加速器により発生させた。N原子の電子親和力が負であるため入射する負イオンとしては分子イオンであるNH^<2->またはCN^-を用いた。高い深さ分解能を達成するためには共鳴幅程度の単色性の良いビームを作ることが必要である。これは分析電磁石の磁場を安定させることで達成する。プロトンのNMRのスペクトル変動を電磁石の電源へフィードバックすることで磁場の相対変動を10^<-5>に抑えた。分析電磁石の出口スリットにはスリットフィードバックシステムを準備し、加速用のターミナル電圧の安定をはかる。入り口と出口のスリットを0.5mm幅にすることでエネルギーの広がりを2keV以下に抑えらた。
実験は超高真空中で処理した試料に、加速器で発生させた6.385MeVの^<15>Nビームは、同センター2Cコースにおいて2段の差動排気を介して解析用超高真空槽へと導いた。ビーム形状をモニターするビームプロファイルモニターと収束用マグネットを設置し、試料上でビーム径2mm、50nAのビームを得ることに成功した。水素との核反応に伴って放出される4.43MeVのγ線は直径4インチのBi_4Ge_3O_<12>シンチレーターを用い、真空槽の外、試料から20-40mm離れた所で測定した。宇宙線によるバックグランドは0.07cpsであり、1/100原子層程度の水素が測定可能となった。この手法を用いて、(a)a-Si/H/Si(001)、(b)Olivine/Aqueous Solution Interface、(c)H/Au(001)、(d)Ag,Cu,Pb/H/Si(111)の試料について深さ分解測定を行った。
【研究代表者】