水-金属ハイブリッド推進機内の凝縮性粒子の発生機構解明と推進/環境性能の最適化
【研究キーワード】
水 / 超小型推進機 / マグネシウム / 燃焼 / 凝縮性燃焼生成物 / 凝縮性燃焼生成粒子
【研究成果の概要】
本研究の最終目的は,水/金属燃焼ハイブリッド推進機の実現にある.このためには,推進性能と環境適合性の同時最適化が必須であり,いずれも凝縮性燃焼生成物(CCP: Condensed Combustion Products)の低減が鍵となる.そのため,低圧水蒸気とワイヤ金属(マグネシウムあるいはアルミニウム)の燃焼スラスタにおけるCCP発生機構を解明すると共に,推進性能との相互作用を解明する必要がある.これには実験的測定が不可欠であり,本研究はCCPの発生メカニズム解明と推進性能への影響解明により構成される.本年度,CCPの発生メカニズムの解明に向けて、燃焼試験装置に燃焼生成物回収のためのトラップの設計および実装をした。大型の固体生成物は燃焼室下部へ落下させ、小型の固体は流路の途中において気流から落下分離させる。燃焼後気流に含まれる水蒸気は低温トラップにより凝縮分離を行う。さらに、回収した固体生成物に対して、塩酸あるいは水酸化ナトリウム水溶液との反応を利用した水上置換法による残留燃料の測定方法を確立した。また、小型固体生成物に対して、粒径密度・分布の測定方法の開発を進め、レーザー透過法による減衰率による測定およびバックライト法による測定を実施した。これらの結果を元に次年度は粒径密度・分布方法を実施予定である。推進性能の評価に対しては,定常作動方式の確立のため、実験装置の改修およびワイヤ供給装置の新規設計を実施した。燃焼時のワイヤ変形に伴い燃焼先端部が壁面に接触することによる燃焼停止を抑止する設計を取り入れた。ワイヤ供給気の新規設計は、ワイヤ送り速度を高め、かつ細いワイヤへ対応させることで、これまで試験できなかったパラメータ領域の探索を可能とするものである。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2025-03-31
【配分額】17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)