固体力学における逆問題と逆解析手法の構造解明と適切化手法の確立に関する企画調査
【研究分野】機械材料・材料力学
【研究キーワード】
逆問題 / 数理解析 / 数値計算 / 非破壊検査 / 適切化手法 / 破壊力学 / 境界要素法 / 特異値分解
【研究成果の概要】
本研究の目的は,固体力学分野で現れる逆問題について,その数理構造の解明を行うことにより個々の逆問題自身のもつ不適切性の構造を明らかにし,これを適切化解法の機能に関する数理構造の解明と有機的に連携させることにより,逆問題の適切化解法を体系化する態勢を構築することにある.このため,固体力学に精通した逆問題研究者と応用数学者とからなる研究組織を構成し,逆問題研究の現状と問題点の調査を行い,重点領域研究として研究を行う場合に必要な,研究組織の態勢,研究課題についてフィージビリティスタディを行った.
主な研究成果は,以下の通りである.
まず,逆問題自身の不適切性の構造と適切化解法の機能的構造について,従来と現状の研究を総括し,将来の方向を探る調査を実施する.一般性の高い逆問題の分類として,境界値/初期値逆問題,領域/境界逆問題,負荷逆問題,材料特性逆問題,および支配方程式逆問題を取り上げた.これらの研究対象に対して,(1)逆問題の数理構造の解明,(2)逆解析手法の数理構造の解明,および(3)逆解析手法の適用について検討を行った.これらの検討結果をもとに,逆問題の構造に関する体系化,および適切化逆解析手法の特性の体系化を行い,効率的な適切化手法構築の指針について議論を行った.さらに,特定領域研究として研究を行う場合に必要な,研究組織の態勢,研究課題について議論を行い,平成10年度特定領域研究(B)として,「固体にかかわる逆問題 -工学的側面とその科学」の研究計画をまとめた.
【研究代表者】