医用MRI画像を基にした血流の数値解析診断法の確立
【研究分野】医用生体工学・生体材料学
【研究キーワード】
MRI / 血流シミュレーション / 数値流体計算 / 局所補間微分オペレータ法 / 血管構造抽出 / カットセル法 / AMR法 / 粒子モデル / 血流計算 / マイクロ・イメージング・コイル / SHP / 連成計算 / 局所補間微分オペレータ(IDO)法 / 血管弾性」変形」 / 拡張個別要素法 / 医用画像 / 血流 / MRI画像データ / LevelSet法 / 時系列データ / 複雑形状 / Level Set法
【研究成果の概要】
最近の医用診断機器(MRI(Magnetic Resonance Imaging)、X線CT、PET、超音波ドップラー装置など)の発達により、非常に大量の身体に関するデータが得られるようになったが、それらは医師の目視による経験的な診断に使われるだけで、十分に利用されているとは言えない。特にMRIは人体への影響が少なく、高速・高精度な診断ができる手法として広く普及している。
取得した3次元MRI画像データからBスプライン補間を用いて血管構造を抽出する方法を提案し、数値計算のベースとなるデータを構築することができた。複雑に分岐する曲がりくねった血管中を流れる血流を計算するために、高精度な計算手法として局所補問微分オペレータ法を発展させた。計算精度自体の向上と合わせて、複雑形状を直交格子上で計算するためのカットセル法、必要な部分のみ高い空間分解能で計算することを可能にする適合細分化格子法(AMR法)を開発した。さらに、これらを組み合わせることで血管壁の弾性変形を考慮した血流計算が可能になった。曲率半径を変えたいくつかの血管構造に対して拍動流を流入させた場合、応力が集中する部分が明らかになった。また、剛体壁を仮定した計算よりも弾性壁を仮定した場合の方が血管壁に加わる圧力の大きさはかなり小さくなることが分かった。一方、非ニュートン性が顕著になるミクロスケールの血流を粒子モデルで計算し、赤血球モデルを含んだ流れに対する新しい計算手法を提案した。
個体別に取得したMRIデータをべ一スとした血流シミュレーション・システム構築に対する成果を得ることができた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
池平 博夫 | 放射線医学総合研究所 | 画像医学部・分子情報研究室 | 室長 | (Kakenデータベース) |
長谷川 純 | 東京工業大学 | 原子炉工学研究所 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2001 - 2003
【配分額】4,100千円 (直接経費: 4,100千円)