在欧日本仏教美術の包括的調査・デジタル化とそれに基づくジャポニズムの総合研究
【研究分野】美術史
【研究キーワード】
日本美術史 / 仏教美術 / 博物館 / 美術館 / 日欧交流 / 日本学 / 日本観 / 文化人類学 / ジャポニズム / 日本研究 / デジタル化
【研究成果の概要】
欧州には日本仏教美術品が数多くあるが、その分野の専門家が少ないために殆ど調査がなされていなかった。本研究ではそれらを網羅的に調査・研究して来歴・性格等をつかみ、デジタル化してそのデータを公開するに至った。調査ではドイツ・ケルン東洋美術館所蔵の仏教美術品の悉皆調査を行なうなど、これまで知られていなかった貴重なコレクションの内容が判明している。また、これらの仏教美術品の分析を通して仏教美術品が欧州における日本観の形成に多大な影響を与えていることも明らかになった。各博物館からは今後も情報を提供してもらえることになっており、本プロジェクトは仏教美術品を通して日本と欧州の新たな関係を構築したと言えよう。
【研究の社会的意義】
これまで調査の手が十分に及んでいない在欧の博物館・美術館を中心に調査を実施し、デジタルデータを数多く蓄積した。調査成果およびデジタルデータを所蔵者にフィードバックすることにより、コレクション情報を適正なものに更新するとともにデジタルデータの公開によって館の公益性を高めることにも寄与した。調査の実施は所蔵者がコレクションを再認識する機会ともなり、欧州側の日本美術研究の進展にも大きな役割を果たした。
【研究代表者】