考古学調査における物理探査技術の改良と評価
【研究分野】広領域
【研究キーワード】
考古学的地下探査 / 大戸古窯跡 / 地中レ-ダ- / 磁気探査(フラックス・ゲ-トおよびプロトン磁力計) / 電磁誘導探査 / 電気探査 / 佐久市聖原遺跡 / 住居址 / 磁気探査 / 放射温度測定 / 窯跡 / 地中レーダー
【研究成果の概要】
本研究は2年間にわたって行なわれた。本研究は、地下に埋蔵される考古学上の遺構を地表を破壊することなく探査し、遺構の位置・形・深さ・種類などを正確に推定する方法を確立し、その装置を自らの手で作り出そうとするのが究極の目的であり、この2年間は、その基礎的研究として、従来使われてきた探査装置を実際の遺構について使ってみて、その後の発掘の結果と照合し、従来の探査方法・装置について、その有効性と限界、問題点を知ろうとするものであった。その意味で、主として物理的探査法を中心としたが、併せて若干の化学的微量分析法による探査の可能性も検討した。
1988年には主に福島県会津若松市大戸の古窯址発掘に先立ち、その地表から磁気・電気・電磁誘導・地中レ-ダ-探査を行い、発掘結果と照合した。その結果磁気探査は2つの窯跡を示したのに電気探査はそのうちの1つのみを示し、発掘結果はこの1つであった。レ-ダ-も、他の1つが岩盤であることを示した。これらのことから、探査は幾つかの方法を組み合わせることが有効であると判断した。この際レ-ダ-が凹凸や斜面の多い場所では使いにくく、考古専用のレ-ダ-の開発を強く感じた。また、磁気・電気等探査装置が皆欧米製で内容が不明なことも気になった。要は自分たちで基礎研究をして自分たちで製作することを認識。1989年夏・秋には、長野県佐久市聖原遺跡の住居址で上と同様の探査実験を行い、正確な推定像を得るには、やはり各種方法の組み合わせによる総合判断が必要なこと、地中レ-ダ-がいちばん情報量が多く、音波(振動)や磁気・電気も良いが測定点のメッシュを細かくする必要があること、要するに、すべて各方法の基礎、土質の本性を再確認の上、考古専用の探査装置を得、そのデ-タをコンピュ-タで処理する方法も研究する必要を認識、埋蔵物の明らかな奈文研実験場で実験を行った。
【研究代表者】