排水中からの有機汚染物質除去を目的としたプラズマグラフトフィリング重合膜の設計
【研究分野】反応・分離工学
【研究キーワード】
プラズマグラフト重合 / 分離膜 / 排水処理 / 材料設計 / パーベーパレイション / パーベーパレーション / パ-ベ-パレーション
【研究成果の概要】
本研究の目的は、溶媒処理、特に排水処理において高い性能を有するフィリング重合膜を用いて、それぞれの排水系に適した重合膜を設計することにある。設計のためには膜中での溶媒の溶解性・拡散性をそれぞれ予測し、フィリング重合膜の基材による膨潤抑制カと併せて分離性能を計算だけから予測する必要がある。様々な基材・充填ポリマーを設定し、分離膜が示すであろう分離性能を予測することにより、それぞれの排水処理に適した充項責ポリマーおよび基材強度を選ぶ。選択された素材および基材を用いて重合膜を作製することが本研究で行う設計・開発である。
ゴム状ポリマー、ガラス状ポリマー、極性溶媒、非極性溶媒系のいずれにおいても、分子構造だけから実験値を予測する手法を開発した。アクリレートポリマーおよびメタクリレートポリマーを対象としてポリマー溶解性試験、拡散性試験、膜透過性試験を行い、高分手物性および膜性能を評価した。溶解性の推算には、非極性溶媒系に対してはUnifac-FM法、GCLF-EOS法を、極性溶媒系に対しては水素結合を考慮したLF-EOS-HB法を用いた。細孔中に充填されたポリマーの膨潤抑制挙動に関して、新たにモデルを構築した。細孔充填ポリマー中の拡散性に関しては自由体積理輪を適用した。ゴム状ポリマーだけでなく、ガラス状ポリマーヘも拡張できる理論を新たに提案した。これらを総合し、膜透過性の予測を行った。予測した溶解性、拡散性、膜透過性は、いずれにおいても実験値を良好に再現した。つまり、膜および溶剤の化学構造が分かれば、膜の透過性能を予測するモデル群を構築し、コンピュータ上でのスクリーニング試験を可能とする設計法をほぼ確立した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
滝田 耕太郎 | 東燃化学(株) | 技術開発センター | 研究員 |
山口 猛央 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 講師 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1997 - 1999
【配分額】12,900千円 (直接経費: 12,900千円)