遺伝子発現の時空間可視化追跡を生体試料を生かしたまま実現する技術群の創出
【研究キーワード】
RNA / 生物発光 / 顕微鏡 / 多細胞 / バイオイメージング / 1細胞解析 / 遺伝子発現
【研究成果の概要】
本研究の目的は、組織・オルガノイド・小動物個体など多数細胞の集合により機能発現している生体試料について、その試料を生かしたまま遺伝子発現の時空間解析を行うイメージング技術群を創出することにある。すなわち「細胞集団内において、個々の細胞における遺伝子発現のどのような時空間的特徴が、標的とする生理現象の発現における核となる細胞の生成や、その後の増殖・伝播に対する必要条件となるか?」という「問い」を設定した。本研究ではこの「問い」に対する答えを得るために必要な、「生きた多細胞試料における遺伝子発現時空間情報の1細胞解像度経時追跡法」という、これまでに全く存在しない技術を創出することを目的としている。
この目的を実現するために、本研究では①遺伝子発現産物すなわち内在性RNA可視化定量を実現する生物発光プローブの開発②生体試料長期培養機能を備えた1細胞解像度4D生物発光顕微鏡の構築
を行っている。
①の生物発光プローブの開発では、申請者が開発したRNA検出の独自技術であるmPUMテクノロジーを利用して、試験管内および生細胞内において標的RNAを生物発光で検出するプローブの構築を行った。②の顕微鏡開発においては、細胞培養環境を顕微鏡上に構築し、さらに薬液添加なども行いながらハイスループットに観察を行うシステムの構築を行った。さらにレンズアレイやホログラフィーを用いた3次元観察法の構築にも取り組んでおり、4D生物発光顕微鏡の構築に向けて進んでいる。
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2020-07-30 - 2023-03-31
【配分額】26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)