波長限界を超えた顕微ラマン分光装置の開発と局所分析への応用
【研究分野】地球化学
【研究キーワード】
近接場分光 / ラマン分光 / 原子間力顕微鏡 / 高分解能 / 表面分折 / フォトルミネッセンス / 表面分析 / SNOM / AFM / 近接場 / 発光 / ラマンスペクトル / 顕微分光 / 装置開発 / 微小領域
【研究成果の概要】
本研究では走査近接場光学顕微鏡(SNOM)を研究室に既存の市販の原子間力顕微鏡に組み込み、光ファイバーの開口径程度の空間分解能を持つ顕微分光技術を確立することができた。本研究で製作したSNOMは、数百nm程度の微小開口を持つ光ファイバにレーザー光を入射し、試料と微小開口面の間を数十nmの距離に近づけることにより、散乱光のマッピング・分光測定をサブミクロンオーダーの空間分解能で行うことが可能である。研究の対象としては放射線損傷を持つ多結晶ダイヤモンドやジルコニア-アルミナ共晶体を選び、サブミクロンの結晶内部での歪みを2次元マッピングすることに成功した。特にジルコニア-アルミナ共晶体につついては、蛍光を高空間分解能でマッピング・分光測定を行うことにより、アルミナ中の不純物であるクロムに起因する発光センターの波長とスペクトル幅を巧みに数値化することにより、多結晶体内部での歪みの大きさと歪みの異方性を解析することができた。また、多結晶ダイヤモンドについては、結晶内部には0.7GPa程度の歪みが存在するものの、結晶表面には歪みがほとんど存在しないことが明らかになった。今後は、より開口径の小さな光ファイバーを用いて数十nm程度の空間分解能の測定を目指すと同時に、溶液内での測定なども視野に入れて行きたい。また、本研究を遂行するにあたって、本研究グループによって分光学的手法と表面化学的手法を併用した地球化学研究が大きく進展したことも特筆に値する。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
赤木 右 (赤木 石) | 東京農工大学 | 大学院・共生科学技術研究部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
浅利 正敏 | 島津製作所 | 参事(研究職/">(Kakenデータベース) |
粉川 良平 | 島津製作所 | 係長(研究職/">(Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2001 - 2003
【配分額】11,000千円 (直接経費: 11,000千円)