音響放射圧駆動による液中アクチュエータ
【研究キーワード】
アクチュエータ / 超音波 / 圧電デバイス / 音響放射圧 / Acoustfluidics / 圧電素子 / 非線形音響 / 音響放射力 / 音響流 / Acoust fluidics / 超音波放射力 / 液中 / 水中ロボット / 液中アクチュエータ / 放射圧 / Acoustofluidics
【研究成果の概要】
弾性表面波基板を用いた液中アクチュエータの応用として,駆動IDTに加えて反射器IDTを設置することで,一方向に効率よく伝搬する電極構造とした駆動周波数約10 MHzの素子を用いて,音響流駆動によるアクチュエータを検討した。2枚の弾性表面波素子を対向して設置して,素子の配置と素子間隔を変えて実験したところ,素子を端部に設置し,素子間隔を狭くすることで,より大きな推力の得られることを明らかにした。しかし問題点として,駆動IDTから放射された表面波が,反射器に到達する前に,水中に放射されてしまい,一方向に表面波が効率よく伝搬させることが難しいことがわかった。
この実験結果から,アクチュエータとしての動作は確認されたが,より効率よく動作させるためには,電極構造を再検討する必要があることがわかった。解決策としては,駆動電極内部に反射用浮き電極を設置するなど,駆動電極と反射器が一体構造となった一方向性電極の採用が必要であることがわかった。
円板形状の素子の,厚み振動を利用したバルク波デバイスによるアクチュエタについては,デバイス表面に発生する音響放射圧の利用に加え,新たに音響流を推力に変換する構造の検討を行った。約2 MHzで厚み共振する圧電素子を用いた。
音響流を推進力として利用するため,圧電振動子の前方に流路が形成されるように樹脂による囲いを設置した。囲いには,振動子放射面前方に噴出口を設置し,振動子の脇には吸入口を作製した。噴出口の直径を2 mmから9 mmの間で5種類作製し,それぞれ推力の測定を行った。推力としては,1.1 mNから1.5 mNが得られた。直径3 mm以上ではほぼ同じ推力となり,噴出口の直径が大きい方がやや大きな推力となる傾向となった。囲いの無い音響放射力による場合は2 mNの推力が得られており,音響流による推力はやや小さな値であるが,推力を得ることができ。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2019-04-01 - 2023-03-31
【配分額】16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)