並列プロセッサによる自律分散的な動画像生成
【研究分野】計算機科学
【研究キーワード】
並列プロセッサ / 感性情報処理 / グラフィックス / 自律分散 / アニメーション / バーチャルリアリティ
【研究成果の概要】
鳥や魚のように自律的に行動する複数の個体に対して、自然感の高い動画像を実時間で生成するために、以下の研究・開発を行った。
1.並列ビジュアルコンピューティングシステムViSA-32の開発
32ビットマイクロプロセッサ・Transputer(インモス社製)を32個搭載した並列ビジュアルコンピューティングシステムViSA-32を開発した。各プロセッサが、それぞれ大容量の画像メモリを持つ。システム全体として多層画像メモリが存在するようにみえる、分散マルチレイヤ・アーキテクチャを開発した。
2.自律的に行動する複数の個体の動画像生成
1固体の行動制御・画像生成を1個のプロセッサに割り当てることは自然である。実際にViSA-32を用いて、それぞれ独立に泳ぐ32匹の金魚画像の実時間生成を行った。汎用並列マイクロプロセッサが、自律的に行動する複数の個体を対象とした自然感の高い画像の実時間生成に有効であることを示した。分散型マルチレイヤ・アーキテクチャにより、並列プロセッサシステムにおいて問題となる複数の個体間の衝突検出・回避に必要な計算コストを低減した。これにより、分散型マルチレイヤ・アーキテクチャの有効性を確認した。
3.擬人化エージェントインタフェースへの応用
本システムはまた高次ヒューマンインタフェースを実現するため、自然感の高い人間の顔を持つ擬人化エージェント動画像の実時間生成にも用いており、良好な結果を得ている。
【研究代表者】
【研究種目】奨励研究(A)
【研究期間】1994
【配分額】900千円 (直接経費: 900千円)