バルク超電導体の磁界整形機能を利用した高性能磁気軸受の研究
【研究分野】電力工学・電気機器工学
【研究キーワード】
超電導 / バルク / 磁気軸受 / 磁界整形 / 回転損失 / 電磁力 / 回転振動 / 数値解析 / バルク超電導体 / 磁束ピンニング / 超伝導 / バルク超伝導体
【研究成果の概要】
本研究は,パルク超電導体の磁界整形作用を利用した超電導磁気軸受の静的および動的な基本特性の詳細を,数値電磁界解析と小形試験装置による測定を通じて明らかにし,大形高速回転機の超低損失軸受としての応用可能性と,さらなる特性向上の可能性を検討することを目的として実施してきた。
基本性能の検証のために,Bi2223超電導線材を用いた磁界発生用コイル,磁界整形用Y系リング状バルク超電導体,および鉄(回転体)を基本構成要素とする小型実験装置を製作した。超電導コイルとバルク超電導体はGM冷凍機により直接伝導冷却され,コイル中心の最大磁束密度は約0.8Tである。この試験装置を使用して,冷却特性,超電導コイルの励磁特性,バルク超電導体の磁界整形(磁気遮蔽)特性,特に分割構造の磁気遮蔽特性への影響,電磁力の基本特性を測定し,数値電磁界解析の結果との比較により,ほぼ設計の性能が得られていることを確認した。
さらに,超電導磁気軸受の電磁力の静特性およびフリーランによる回転損失特性の測定を,発生磁界などの条件をパラメータにして実施した。その結果,回転速度は回転時の振動の共振のため最高で9000rpm程度に抑えられ,また,回転損失も当初の予想よりもかなり大きく,回転の減衰が早くなっていた。この原因は,磁気遮蔽材として使用されているバルク超電導体の高磁界中での超電導特性の低下にあり,数値解析からもほぼそれを裏付けることができた。したがって,バルク超電導体の臨界電流密度特性の向上と,超電導体中および超電導サンプル間の特性のバラツキの低減が,磁気軸受特性の向上,さらには実用的な低損失軸受として成立させる上で重要であることが明らかになった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
田村 穣 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2001 - 2002
【配分額】13,900千円 (直接経費: 13,900千円)