電気粘性流体を援用した超平滑マイクロメカニカルファブリケーションシステムの試作
【研究分野】機械工作・生産工学
【研究キーワード】
電気粘性流体 / マイクロ非球面 / 鏡面研削 / 研磨 / セラミックス / ダイヤモンド砥石 / パラレル研削 / 超音波 / リニアモータ
【研究成果の概要】
本研究の目的は,ガラスやセラミックス等の硬脆材料からなるサブミリサイズ(直径10〜100μm)のマイクロ非球面レンズや3次元微細形状を有するマイクロ部品のマイクロメカニカルファブリケーションシステムの試作である.モータービルトイン高速回転型超精密エアーベアリングを有するER流体援用研磨用主軸ヘッドを搭載したER流体援用マイクロファブリケーションシステムを試作した.そしてその制御プログラム,データ処理プログラム,加工のNC言語(G-code)生成プログラム,形状補正加工用プログラムを作成した.完成したシステムにより,基本的な非球面の研削,研磨実験を行った.
最初に鏡面研削に用いるマイクロ砥石の機上ツルーイングを行った.ステンレスパイプを用いたラッピングにより,小径のレジンボンドダイヤモンド砥石を球面ツルーイングする方法を開発した.その結果,直径1mmの小径ダイヤモンド砥石先端を半球状にツルーイングすることができた.
次にこのマイクロ砥石を用いて超硬製非球面レンズ金型の研削を行った.この際,砥石の上下(Y軸)方向のセッティング誤差,砥石の左右(X軸)方向のセッティング誤差,砥石摩耗による砥右半径の誤差などの誤差要因が工作物の加工形状精度に与える影響についてシミュレーションを行い,これらの誤差要因の補正法を確立することができた.
また,エアーマイクロプローブを用いた機上測定システム,ソフトを設計・試作した.測定分解能は10nm、ダイナミックレンジ10mmであることを確かめた.これを用いて加工形状を機上計測するとともに,そのデータを基に補正研削するプログラムを作成した.その結果,直径2mmの非球面レンズ金型で,表面粗さ50nm,形状精度0.1μmを得ることができた.
次に研削加工に使用したマイクロ砥石をそのまま研磨工具として使用し,ガラス材に対して基礎的なER流体研磨実験を行った.約20μm/15minの加工能率であることを確かめるとともに,研削面粗さを約1/2にできることがわかった.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
田中 克敏 | 東芝機械(株) | 精密機器事業部 | 主席技監(研究職/">(Kakenデータベース) |
閻 紀旺 | 東北大学 | 大学院・工学研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
呉 勇波 | 東北大学 | 大学院・工学研究所 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1999 - 2000
【配分額】13,800千円 (直接経費: 13,800千円)