渦度場フルフィールド計測のための次世代PIVの関発
【研究分野】流体工学
【研究キーワード】
粒子画像流速計 / PIV / 高速PIV / 時系列 / 流動計測 / 高時間分解能データ / 非定常流 / 渦度
【研究成果の概要】
1.渦度場過渡変動計測のためのシステムの構築と評価を実施した。Nd:YLFレーザ光源と高速C-MOSカメラと組み合わせることで、世界最先端級のメガピクセル高速PIVシステムを構築した。さらにもう1台の高速カメラを加えることで、ダイナミックステレオPIVを構築した。
2.水噴霧器の水滴流流れ計測において、1秒間に約1億個の速度ベクトルや渦度値を得た。また、モバイル用小形軸流ファン下流の非定常複雑流動をステレオPIVで計測し、翼端からの渦の挙動を明確に捉えた。
3.高速カメラを2台用いることで、時間方向だけでなく、空間方向にも高ダイナミックレンジを持つシステムを構築することに成功した。
4.多孔ノズルより噴出する気体噴流の三次元構造についてダイナミックステレオPIVを適用して時系列計測を行い,噴流が示すうず構造の解析を行った。また,旋回ノズルによる噴霧場について噴霧液滴の径と3次元速度場解析の手法を確立した.
5.複雑な生体モデルに対して有効な非侵襲ステレオ校正手法を開発し、時間・空間分解能の高い非定常計測を可能とした。非定常で三次元的な脳血管モデル内の脈動流を本PIVを用いて解析した。
6.ガルバノミラーでレーザシートをスキャンすることによって多断面のステレオPIV計測を行う、スキャニング・ステレオPIVシステムを開発し、これを軸対称噴流流および軸対称衝突噴流の三次元速度・渦度分布計測に適用して、よどみ域における渦の伸張過程の詳細を捉えた。
7.軸対称衝突水噴流装置を設計・製作し、よどみ領域の時系列乱流計測を実施した。統計量の吟味によって計測の妥当性を確認した後、乱流構造の時空間挙動を解析し、壁面近傍の高速流体塊の出現と、それをもたらす横渦の存在を明らかにした。
8.本成果の一部は日刊工業、毎日、朝日、西日本新聞等に掲載された。
9.ダイナミックPIVに関する2回のワークショップを主催した。
【研究代表者】