大規模地下施設周辺の流体挙動に関するウエルテストトモグラフィー技術の開発
【研究分野】資源開発工学
【研究キーワード】
井戸試験 / 水圧パルス / 浸透率 / 逆解析 / 最適制御理論 / トモグラフィー / 岩盤 / キャラクタリゼーション / ウエルテスト / ジオトモグラフィー / 地下水理 / パルステスト / 非線形最小二乗法 / エアパルス / 地下空洞 / トモグラフィ- / 岩盤浸透率
【研究成果の概要】
本研究の目的は、地下岩盤中に掘られた観測孔の圧力応答データから岩盤中の浸透率分布を描き出す手段としてウエルテストトモグラフィー技術の開発である。特に、数値逆解析技術の開発、および計測機器の開発を行った。その要点は以下の通りである。
(1)多孔質媒体内の三次元圧縮性流れの支配方程式と非線形最小2乗法を組み合わせた非定常データの逆解析技術を開発した。対象領域は3次元差分格子により離散化し、その6面全てに異なる未知浸透率があるものとして逆解析する。逆解析計算は非線形最小自乗法の一つである準ニュートン法、特に、SSVM(Self-scaling Variable Metric method)を組み入れ、目的関数の勾配は最適制御理論により算出するようにした。また、特殊テクニックとして、解析的坑井モデル、変数変換、時間方向の重み付け、ゾーニング、スムージング、行列演算の高速化、主記憶容量の逓減、を図る手法を導入した。
(2)数値実験、および室内実験を通して逆解析プログラムの正常動作、再現性、逆解析の分解能、境界条件、初期条件の敏感性などを検討し、良い結果を得た。
(3)フィールドにおける計測のために、微小な圧力変化を多点で捉えるマルチパッカー。マルチゲージ受信システムを作成した。圧力センサーは水晶発信型で0-100kgf/cm^2の範囲で誤差は0.01%FSであり、各センサーの読み値はCPUに転送される。
(4)ダム建設予定地におけるパルステスト計測結果を利用し逆解析を試みた。逆解析結果は、他の既存データ(地質データ、孔試験データなど)と比較され良い一致が認められた。
【研究代表者】