岩石の圧電性に関する基礎研究
【研究分野】資源開発工学
【研究キーワード】
岩石 / 衝撃 / 圧電性 / 電磁波 / 探査 / 斜面安定性 / 予知 / 破壊 / 地震 / 地電流 / 電位差 / 圧電気 / 圧電現象
【研究成果の概要】
ある種の結晶構造に応力が加えられると、応力に比例した分極が生じる。また、このような結晶構造に電場を加えることによって、電場の強さに比例した歪みが生じる。この現象は圧電効果と呼ばれている。この圧電効果は、マイクロフォン、スピーカーやピックアップといった音響機器、ソナーや魚群探知機、厚み計といった計測機器、ライターや内燃機関の点火装置、通信機器のフィルターなどに古くから多方面で応用されている。
岩石の電気的性質をとらえようとしたとき、岩石は異種類の造岩鉱物の集合体であり、圧電性を持つ結晶も中に含む。このことから、岩石も圧電性を持つと考えられている。また、岩石に荷重を加えた際の電気的性質ついては、そのクラックの発生、進展及び破壊の際に、岩石小片の複雑な移動やこれに伴う界面の変化によって電荷の分配が行われ電気信号が観測されることも知られている。しかし、岩石及び岩盤の組織、構造は極めて複雑であるためその電気的性質には解明すべき点や未知の点が数多く残されている。殊に、岩石の圧電性については、試験片で静的に荷重を加えた際の現象についての研究や、発破による振動を与えた際に石英岩脈近傍で生じる電荷についての研究等が報告されているがその数は少ない。
本研究では、花崗岩ブロックにハンマーで衝撃荷重を加えた際に衝撃を加えた点の近傍で生じる電荷と離れたところで生じる電荷及びハンマーに生じる歪みの測定を行い、その結果を述べるとともにその波形を検討し、衝撃荷重を岩石に加えた際の岩石の電気的性質について詳細に検討した。今回の研究の成果としていくつかの興味深い現象が見出された.不明な点もいくつかあり、今後の継続的な研究が是非とも必要であるが、このように荷重を加えた際の岩石の電気的性質を解明することは、岩盤崩壊の検知や圧電鉱物を含む岩石を母岩に持つ鉱脈の探査等多方面に役立つことになると思われる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
秋山 政雄 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
福井 勝則 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1997 - 1998
【配分額】6,600千円 (直接経費: 6,600千円)