石炭層の炭酸ガス固定可能量に関する実験研究
【研究分野】資源開発工学
【研究キーワード】
CO2 / 超臨海 / 地中固定 / 吸着 / 石炭 / コールベッドメタン / 増進回収法 / 超臨界 / 活性炭 / 定容法
【研究成果の概要】
地球温暖化対策としてのCO2地中固定の一方法に、CO2を用いたECBMR(増進コールベッドメタン回収)がある。ECBMR法の未解決の課題として、深部炭層へのCO2の吸着量(CO2固定量)がある。
本研究では、定容法の原理に基づき、常圧から100気圧までのガス吸着量を測定できる装置を製作した。この装置を用いて、石炭ランクの異なる4種類の石炭につき吸着等温線を測定した。実験に使用した石炭はベトナムのマオケー炭、日本の赤平炭、太平洋炭、オーストラリアのヤルーン炭である。これらの石炭は、褐炭から瀝青炭、無煙炭の石炭化度を有している。使用したガスは、単一成分ガスとしてはCO2、CH4、N2、混合ガスとしてはCO2+CH4である。
吸着等温線測定で得られた結果は次のとおりである。
I : CO2の単一成分ガス吸着の場合
(1)臨界圧までは吸着量がラングミュア型に近い形状で増加したが、臨界圧付近では、吸着量が一旦減少し、臨界圧を越えると吸着量は再び増加する。
(2)超臨界圧での吸着量の増加量は温度に依存する。
(3)固定炭素の含有量が大きい石炭ほど吸着量は大きくなる。
(4)乾燥した石炭と湿った石炭とを比較すると、湿った石炭の方が吸着量は小さい。
(5)赤平炭について行った脱着実験では、吸着量のヒステリシスはみられなかった。
II : CO2+CH4の2成分ガス吸着の場合
(6)赤平炭についてはCH4の吸着量はCO2の約1/2であった。
実験で求められた2成分ガスの吸着量は、単一成分ガスの吸着量をもとに計算する拡張型ラングミュア式で求めた吸着量よりも小さくなった。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
大島 義人 | 東京大学 | 環境安全研究センター | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2002 - 2003
【配分額】7,500千円 (直接経費: 7,500千円)