グローバル化と現代巡礼文化の変容
【研究分野】社会学
【研究キーワード】
グローバル化 / 巡礼 / 普遍主義 / 個別主義 / ハイブリッド / スピリテュアリティ / 文化変容 / グローバルスピリテュアリティ / 文化・社会意識 / 宗教儀礼研究 / 国際社会・エスニシティ / 社会構造・変動論
【研究成果の概要】
本研究においては、グローバル化がいや増す現代日本において「内に向かうグローバル化」の位相に着目し、日本巡礼文化の典型例である四国遍路文化を事例に取り上げ、グローバル化による当該文化の変容過程の可能性について追究した。外国人あるいは日本人遍路、また地域関係者を対象とした量的・質的調査からは、グローバル化による遍路文化の多様な変容動向が確認された。たとえば、外国人遍路には、日本人遍路に比べて彼らの友人たちとの同行形態や相互の情報伝達の傾向が顕著であり、また、四国遍路文化が持つ重要な特徴の一つである海洋性や周回性に関して無関心な傾向が強くみられる。他方では、接待文化を重視する点は日本人遍路と同様である。こしうした文化普遍的傾向と文化個別的動向の混在現象は、日本巡礼文化の将来の理解にとって有益な変容モデルの足掛かりとなるだろう。
【研究代表者】