現象論的ダイナミクスに基づく反応・分離プロセス強化手法の開発
【研究分野】反応工学・プロセスシステム
【研究キーワード】
反応・分離工学 / モデル化 / マイクロ・ナノデバイス / ダイナミクス / プロセス強化 / Dynamics / Process Intensification
【研究成果の概要】
本研究では、(A)マイクロ場を活用した革新的装置、(B)多様なエネルギー場の有効な利用技術、(C)物質変換の新しい精密操作法に関する現象論的考察を通して、精密場を活用したプロセスシステムにおける個々の反応系、分離系およびユーティリティー系のモデリング手法とシミュレーション手法を検討し、プロセス強化を目指した装置・操作設計に利用できる構成論的設計手法を構築することを研究目的とした。
3年間の研究期間内においては、装置設計と操作設計の構成論的手法に関する下記の11件のテーマで成果を得ることができた。
(1)交流電界操作を用いた触媒反応プロセス装置のコンパクト化
(2)マイクロ場・超音波場を利用した反応・分離プロセスの効率化
(3)通電加熱触媒プレートを用いた非定常操作触媒反応器の設計
(4)能動分岐型マイクロチャネルを利用した分取操作用の分岐チャネルの開発
(5)超音波間接照射場における重合システムの変動操作
(6)微小流路を利用した限外濾過操作の設計
(7)マイクロ流動場における分離操作の精密化
(8)時空間的な精密操作による反応・分離プロセスの効率化
(9)温度周期操作によるプロピレン酸化反応の制御
(10)スプレーパルス2プロパノール脱水素反応の最適操作条件の検討
(11)連続乳化重合プロセスの反応・凝集ダイナミクスによる粒子径制御
更に、既往の化学工学で採用されてきた単位操作論に準拠した還元論的なプロセス設計開発技術だけでは、プロセス強化を実現することが難しいことが明らかとなった。そして、プロセス強化技術開発の推進のために、マルチビューポイント(あるいはマルチスコープ)モデリング・シミュレーション技術が必要不可欠であるという結論に到った。
【研究代表者】