パルス超音波を用いた高精度過渡流量計測システムの開発
【研究分野】原子力学
【研究キーワード】
流体力学 / 流量計測 / 複測定線計測法 / パルス超音波 / 超音波時間領域相関法 / ドップラ効果 / 十分発達流 / 超音波キャビテーション / 乱流 / 強力超音波 / キャビテーション
【研究成果の概要】
パルス超音波のドップラ効果を利用した超音波流速分布計を用いた高精度流量計測において、測定線を複数用いた流量算出アルゴリズムを構築すると共に,非軸対称流や未発達流においても高精度流量計測が可能である流量計測システムを構築し,流路に金属配管を用いた際の未発達流計測を行い,さらに,気泡発泡装置との同時計測を行うことで,複測定線を用いた流量計測の実機適用性を確認した.その結果、以下の知見を得た。
(1)超音波流速分布計測法を用いた複測定線計測法は,アクリル配管のみならず金属配管においても適用可能であり,未発達流を高精度で計測可能である.
(2)金属配管においても超音波反射体として強力超音波によるキャビテーション気泡が有効であり,さらに,従来のナイロン粒子に比べ計測精度が向上する.
また,従来使用されてきた繰り返しパルス超音波ドップラー信号解析による高精度流量計測法は,瞬時速度分布を周積分して流量を求めるため較正が不要であるが,標本化定理による測定限界のため測定領域に制限がある.そこで,パルスドップラー法を用いた場合のナイキストの標本化定理による測定限界を改善するため,超音波時間領域相関法を用いた新しい速度分布計測法を提案した.なお,パルスドップラ法が25〜27回程度のパルス発射を繰り返して一つの速度分布を求めるのに対し,超音波時間領域相関法は,最少で2回の繰り返しパルス発射で速度分布を求めることが可能で,本手法による時間分解能の改善を試み,以下のことを明らかにした.
(1)超音波時間領域相関法による円管内低レイノルズ数乱流の測定結果は,測定体積が壁面と重なる領域以外では,EggelsらのDNSおよびDurstらによるLDVの結果と良好に一致した.
(2)超音波時間領域相関法は,パルスDoppler法に比べ,計測範囲が広いことを実験的に確認した.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
武田 靖 | 北海道大学 | 大学院・工学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
森 治嗣 | 東京電力 | 技術開発研究所 | 主任研究員 |
有冨 正憲 (有富 正憲) | 東京工業大学 | 原子炉工学研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2000 - 2002
【配分額】11,400千円 (直接経費: 11,400千円)