中赤外光コムと高反射率共振器による多核種・多分子種の革新的同時分析法の開発
【研究キーワード】
レーザー分光 / 同位体分析 / 光周波数コム / 光共振器 / キャビティリングダウン分光 / 放射性核種 / CRDS
【研究成果の概要】
長半減期放射性核種を分子種ごとに定量分析可能な分析法として、中赤外光周波数コムと高反射率光共振器を利用した高感度レーザー吸収分光法の開発を行う。研究計画の2年目である令和3年度の研究実績を以下に示す。
(1)V字型光共振器光フィードバック法を用いた中赤外半導体レーザーの狭線幅化: 中赤外光周波数コムを周波数参照とした高感度キャビティリングダウン分光を実現するためには、プローブ光源として利用する中赤外半導体レーザーの狭線幅化が不可欠であった。そこで、V字型光共振器を利用した光フィードバック法によるレーザー安定化手法の開発を行った。結果として、100 kHz以下のレーザー線幅を達成し、同時に共振器長を掃引することにより、モードホップフリーで10 GHz近い周波数掃引を可能とした。本成果は現在論文投稿を準備中である。
(2)中赤外光周波数コム-光フィードバック半導体レーザー-光ヘテロダイン干渉法によるレーザー周波数安定化法を開発: 昨年度構築した光ヘテロダイン干渉法による周波数モニタリング体系をベースとして、ビート信号の周波数を一定に保つようにV字型光共振器長にフィードバックする安定化手法の開発を行った。これにより、モードホップフリー掃引範囲(~10 GHz)の範囲で、ビート信号周波数のセットポイントを段階的に変調することにより光周波数コムの安定性・周波数確度をプローブレーザー周波数に持たせることができるようになった。
(3)光周波数コムを利用したキャビティリングダウン分光による複数分子種の吸収スペクトル同時取得: 本研究の最終目標である、複数分子種吸収スペクトルの同時取得に向け、(1)(2)の成果をもとに、最終年度(令和4年度)の実験に向けた準備を行った。具体的には、吸収スペクトル計算に基づき、周波数掃引範囲・ターゲット分子種の決定を行った。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)