多様性推進施策が経営成果につながるメカニズム-20年経過後のマルチレベル分析
【研究キーワード】
ダイバーシティ / 経営成果 / 多様性推進施策 / マルチレベル / インクルージョン / エクイティ / ダイバーシティ&インクルージョン / 多様性 / メカニズム / マルチレベル分析
【研究成果の概要】
企業組織において、どんな場合に、どのように多様性施策が個人に認知され、受け入れられ、個々の行動につながるのか、さらにそれが経営成果につながるメカニズムは何か。この問いを明らかにするために、初年度である、2021年度は、次の3つのことを実施した。
第1に、「時系列のアーカイブ調査」に着手した。日本企業の売上高上位100社の外部公開資料を用い、2000年から2020年までの取り組み姿勢の変遷内容を切り口として分析し、国内企業の取り組みの全体動向を把握した。それにより、おおよその傾向を確認した。
第2に、「文献レビュー」を行った。まず、多様性推進施策と成果に関する諸外国の研究結果、およびマルチレベル分析についての文献レビューを行った。その結果、諸外国の多様性推進施策の成果はコンテクストが及ぼす影響が大きいことを明らかにした。また、分析手法として、マルチレベルの重要性が高まっていることを再認識した。
第3に、「国際キャリア比較研究プロジェクト(5C: cross-cultural collaboration on contemporary careers)の研究者との意見交換」である。マクロレベルのコンテクストが及ぼす影響を分析する際には、ミクロレベルの理論との整合性を考察することが必要であると再認識した。また、同プロジェクトの調査結果の一部として、海外のメジャージャーナルに受理され、2本の論文を発表した。1つは、調査の従属変数の1つであるキャリア意識の測定尺度とその妥当性に関して、もう1つは、各国のワークライフバランス制度がいかに個人のキャリア形成においてジェンダー格差を生むかについての論文である。引き続き、コンテクストが及ぼす影響を明らかにするため、諸外国の研究者との意見交換を進めていきたい。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)