絶縁体極薄膜中の新奇機能探索
【研究キーワード】
磁性体 / 超伝導 / 半導体 / 極薄膜 / トランジスタ
【研究成果の概要】
本研究課題では、特徴的な結晶構造を有する電子相関の強い「絶縁体」(※絶縁体=ギャップが開いているものすべてとする)化合物に着目し、それらの高品質な試料への高濃度キャリアドープによって、主に下記2点の新しい電子・磁気機能の発現を達成した。1. 絶縁体硫化物SrHfS3へのp型&n型キャリアドープと緑色発光 2. ZrCuSiAs型SmFeAsOへの高濃度キャリアドープと48ケルビンの高温超伝導
【研究の社会的意義】
全く新しい研究アプローチにより、非ドープでは絶縁体とされる新物質への電子・磁気機能発現につなげたことは、これからの新機能物質探索の礎となることが期待できる。SrHfS3は、III-V族化合物を利用して現在実用化されている発光ダイオードが抱える致命的な問題の「グリーンギャップ」(緑色の発光効率だけが悪い)を解決することができる可能性を秘めた新物質であり、SmFeAsOは、高濃度キャリアドープによって50ケルビン程度の超伝導を示すことから、高価な液体ヘリウムを使うことなく、液体水素(温度=20ケルビン)を利用した医療機器MRIなどで使われている超伝導磁石への将来応用が期待できる。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2020-03-31
【配分額】17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)