粘弾性マイクロジェットの能動制御と次世代製造プロセスへの展開
【研究キーワード】
マイクロジェット / 粘弾性流体 / レオロジー計測 / 無針注射 / 高粘度ジェット / 機械学習 / 応力場計測 / 液滴衝突 / レオロジー / 伸長粘度 / 高速度計測
【研究成果の概要】
本研究では,衝撃力を利用した超音速・高粘度マイクロ液体ジェット生成法(代表者の開発技術)に基づき,ジェットの伸長・分裂・衝突という医学・工学応用に不可欠な各要素の物理機構解明・能動制御を達成するため,次世代製造プロセスにとって需要の高い粘弾性液体ジェットに焦点を絞り,学術的に未解明な特徴的挙動を解明に取り組んだ.本年度は粘弾性流体の一つとして塗料などで用いられるshear-thinnig流体のジェットの大伸張プロセスの解明・制御に取り組み,新しく構築したジェット射出機構から吐出されるジェット速度の物理モデルを新たに構築した.その結果,実験結果とよく整合するモデルを得ることができた.本件についてレオロジーの専門家である分担者(長津)と特に協働した.次に粘弾性マイクロ液体ジェットの分離・マイクロ液滴形成プロセスの解明・制御のため,べき乗則流体と呼ばれる非ニュートン流体の液糸の伸長プロセスについて実験調査し,物理モデルを提案した.さらに,粘弾性液滴が固体壁に衝突した場合について,複雑なレオロジーを有する血液の液滴を用いた調査を行った.その結果,血液の飛散現象は血液と同様のせん断粘度特性(shear-curve)を有する流体の飛散現象と大きく異なることを発見した.この原因として血液中の主成分である赤血球の変形性能に起因することが考えられた.分担者(田中)と特に協働した.さらに分担者(山中)と協働し,液滴衝突現象の特徴量を機械学習により抽出した,最後に,上記の知見を活用した応用展開として,ジェットの軟材料への貫入プロセスについての高速度応力計測し現象を実験的に解明した.
【研究代表者】