過渡的透明化によるセラミクスの超高速精密フェムト秒レーザ加工
【研究キーワード】
セラミクス / フェムト秒レーザ / レーザ加工 / 高速観察 / 相転移 / 過渡的透明化 / 光駆動相転移 / 多段相転移
【研究成果の概要】
セラミック材料は,優れた機械的,電気的,熱的特性を有することから,電子機器,光学機器等の主要部品として活用されている.これらの機器の更なる高機能化,低価格化のためには,セラミック材料の微細加工を高能率かつ精密に施す技術の確立が要求されるが,その硬脆性故にセラミック材料の加工は困難を極める.硬脆材料に対する微細加工技術としてフェムト秒レーザが注目されているが,精密加工と加工能率に課題が存在する.上記の2点の課題を同時に解決する手法として,2018年に「過渡選択的レーザ加工法」が実証された.しかしながら本技術の適用対象は,その原理上,透明材料に限定され,不透明であるセラミック材料には適用できない.そこで本研究では,不透明材料を加工中に瞬間的に透明化する技術を開発することで「過渡選択的レーザ加工法」の適用範囲を拡張し,セラミック材料の超高速精密微細加工を実現することを目的とする.
本年度は,フェムト秒レーザ照射時の材料内部の基礎過程解明に向け,ポンプ・プローブ法と高速度カメラを複合させたイメージングシステムを構築し,加工過程をピコ秒からミリ秒に至る極めて広い時間スケールで計測した.セラミック材料はミクロスケールにおいて広いバンドギャップを有し,高い透過性を示すが,マクロに見たバルク材料では粒界における光散乱のために透過性が低く,内部を観察することが容易ではない.本研究では,プローブ光に工夫を施すことで,材料内部の観察を実現し,励起の基礎過程を写し出した.
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2021-07-09 - 2024-03-31
【配分額】6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)