省資・エネルギー・環境技術としての新結晶物質の生成と装置・操作の設計に関する研究
【研究分野】反応・分離工学
【研究キーワード】
晶析装置・操作 / 結晶生成 / 均一微粒子 / 晶析 / 結晶多形 / 省資源 / 省エネルギー / 環境技術 / 装置・操作
【研究成果の概要】
晶析は主として液層より固相を結晶として生成する現象を利用する操作で、そこで工学的に評価される対象は、結晶が生成するときに発生(あるいは吸収)する相変換エネルギー利用のための制御に関する基礎現象、生成する結晶そのものの特性及び結晶を生成して残る液相組成に関する現象など広範である。特に最近の技術開発に関する動向としては、エネルギー環境と資源の有効利用との調和のうえで新しい機能物質を生産する技術を開発するニーズが高まっている。結晶は高純度で高機能特性を安定に維持できる固相であり、このような物質を効率よく生産できる技術を提案し確立することは21世紀の化学工業の発展に貢献するものであることを本研究チームの幹事分担者と討議して、活動方針を決定した。そこで各研究分担者に対して、“調査研究の方向として21世紀の化学工業に貢献する晶析技術とは何か?そこで必要とされる晶析研究テーマは何か?これらの技術・研究の現状と課題は何か?"についてのアンケート調査を行い、各分担者からの研究実績と現在検討している研究計画に基づいた回答を得た。これに基づき、工学基礎から装置・操作の設計とその制御に関する6つのサブテーマについての調査研究を行った。その結果、製品結晶粒径と生産量に基づく晶析装置の設計理論はほぼ確立しており、工業晶析装置・操作の設計は可能になっていることを明らかにし、さらに高純度で新機能を持つ結晶の生成に対する研究の状況を整理した。また新しい操作法としては、結晶多形を利用した操作過飽和度の制御法を提案し、微粒子の生成を含めた新しい晶析技術の可能性も示すことができた。この成果は単に化学工業のみでなく、医薬品・食品工業など広い分野に波及すると考えられる。特に環境対策技術への効果ははかり知ることができない。
【研究代表者】