オキシサルファイドを利用したセラミック表面への金属膜の形成
【研究分野】材料加工・処理
【研究キーワード】
メタライジング / オキシサルファイド / 傾斜機能材料 / 接合 / 濡れ性 / 金属膜 / セラミック材料 / 合金膜 / セラミック / 薄膜 / 接着
【研究成果の概要】
電子機器の基板材料あるいはパッケージ材料のセラミックセラミックに金属を接合するため種種の方法が開発され実用化している。しかしセラミックと金属の接合は非常に難しく、接合剤が限らており、また接合の条件に接合状態が大きく影響を受ける。一般に固体のセラミックと溶融金属は濡れ性が悪く、セラミック表面に均質な金属膜を造ることは難しい。本研究は、酸素を適量含む金属硫酸化物融体(オキシサルファイド)がセラミック表面を良く濡らし均質な膜を形成する現象を利用し、まずセラミック表面オキシサルファイドを造り、これを水素還元することにより鉄基の金属膜をセラミック表面に造った。
まずFe-S-0系のオキシサルファイドの融点及び分解条件を知るためこの系の状態図とFe-S-0系融体組成と平衡する酸素分圧、硫黄分圧、S02分圧の関係のデータを得た。この実験データを基に、比較的低温で溶け、分解しにくい選びオキシサルファイドの組成をを選択した。オキシサルファイド膜を直接アルミナ基板上に形成すると、水素還元により生成した金属膜とアルミナの密着性が悪かったので、アルミナ表面上に予めCa0-Fe0-Fe203系の酸化物層を形成し、この酸化物層の上にさらにオキシサルファイド膜を造り、それを水素還元することにより密着性の良い金属膜を作成することが出来た。金属膜の厚さは、オキシサルファイドの添加量、アルミナ基板上でオキシサルファイドを溶融する温度、保持時間に依存する。金属膜に耐食性を持たせる意味で、20%Ni-80%Feの合金膜も造ることが出来たが、その他の鉄基の合金膜を造ることが出来る。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
山口 勉功 | 岩手大学 | 工学部 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1998 - 2001
【配分額】3,900千円 (直接経費: 3,900千円)