フェイルセーフの概念に基づくハイブリッド型セラミック基複合材料の開発
【研究分野】複合材料・物性
【研究キーワード】
セラミックス / 強度 / 破壊靭性 / ハイブリッド型複合材料 / ナノ粒子分散複合材料 / 微細構造制御 / フェイルセーフ / ナノコンポジット / ハイブリッド複合材料 / 破壊 / 破壊靱性 / 力学的特性
【研究成果の概要】
セラミックスの強度、破壊靭性を目指した微細構造の制御には粒子分散による複合化が有効な方法であり、最近セラミックスの力学的特性の向上を目指したナノ粒子分散によるナノ複合材料に関する研究が進められている。今年度は、3種類のアルミナセラミックス基ハイブリッド型のナノ粒子分散によるナノ複合材料について、分散相のナノ化のメカニズムやナノ粒子の粒内分散による微細構造の制御効果を検討した。
(1)Al_2O_3/5vol%SiCナノ粒子分散複合材料:
微粒子のSiCはアルミナの粒内に存在するのに対し、より大きいSiCはアルミナの粒界に存在した。また、ナノ分散化過程はマトリックスの緻密化の程度と密接な関係があり、焼結が進むにつれてアルミナ粒界の移動によってアルミナの粒径が安定な大きさになり、分散SiCは粒内気孔のようにマトリックス内部に取り込まれていることがわかった。ナノ粒子分散により、強度、破壊靭性ともに向上した。
(2)Al_2O_3/SiC/YAGハイブリッド複合材料:
ミクロンサイズのYAG粒子とナノサイズのSiC粒子からなる等軸構造のAl_2O_3/SiC/YAGハイブリッド複合材料を製造することに成功した。アルミナの粒成長は抑制され、均質な微細構造が達成され、これにより力学的特性の向上が達成された。
(3)Al_2O_3/LaAl_<11>O_<18>複合材料:
繊維状に細長い強化相をもつ複合材料を製造した。強度、破壊靭性ともに強化相の体積含有率の増加とともに増加した。とくに破壊靭性は強化相のアスペクト比の増加とともに増加した。強化相による架橋およびクラックの偏向が高靭性化に寄与している。
【研究代表者】