ナノコンポーネントにおける電磁場誘起欠陥発生の第一原理分子動力学解析
【研究分野】機械材料・材料力学
【研究キーワード】
第一原理解析 / ナノコンポーネント / 局所ひずみ / 欠陥 / 強誘電体 / 強磁性体 / 分子動力学
【研究成果の概要】
本研究は,ナノコンポーネントにおいて発生すると考えられる電場・磁場の負荷によってもたらされる局所ひずみ・応力特異場の発生,およびそれによる結晶学的欠陥発生のメカニズムについて,第一原理分子動力学シミュレーションによって明らかにすることを目的としている.本年度は,まず購入した並列計算クラスターシステムに現有の自作第一原理計算ソフトを移植し,数値演算ライブラリと組み合わせて最適化を行い,本研究の遂行に必須である大規模量子計算環境の構築を行った.次に,ナノデハイスにおける典型的強磁性材料について電子構造とひずみの関係を第一原理ハンド構造解析により評価し,ひずみ・応力と電気的・磁気的特性の関連性を明らかにした.電気的特性については,ひずみによりバンドギャップが減少または失われる.磁気的特性についてもひずみと大さな関連性があり,外部磁場によって大きな局所ひずみが誘起されることが予想される.また,デハイスで問題となる複雑なコンポーネント構造に誘起される局所応力の解明のため,薄膜構造を有する材料に対して第一原理解析を行い,表面の原子・電子構造,局所ひずみを明らかにするとともにそれが電子構造に与える影響について検討を行った.さらに,より複雑な構造を持つ強誘電デバイスの特性について直接シミュレーションを行うため,イオン結合モデル(シェルモデルポテンシャル)による原子シミュレーションの適用を想定し,そのポテンシャルパラメータの第一原理からの構築を行った第一原理で求めた構造パラメータ・弾性的性質・自発分極特性を比較的良好な精度で再現するポテンシャルパラメータの開発に成功した.
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2004 - 2005
【配分額】3,500千円 (直接経費: 3,500千円)