強誘電体/半導体ハイブリッド格子界面の作成と評価
【研究分野】無機材料・物性
【研究キーワード】
原子層エピタキシ- / 強誘電体 / 人工変調構造 / チタン酸バリウム / チタン酸ストロンチウム / 酸化亜鉛 / チタン酸リチウム / タンタル酸リチウム / 界面 / イオンビームスパッタ
【研究成果の概要】
本研究は、酸化物(強誘電体)/半導体ハイブリット格子界面を作製し、それを有するヘテロ構造の性質を明らかにすることを目的としている。研究の結果得られた成果を以下にまとめる。
1)水素終端化処理したシリコン(111)基板上に、酸化ストロンチウムを分子線エピタキシ-(MBE)法で蒸着し、エピタキシャル成長に成功するとともに、水素終端化の有効性を明らかにした。
2)成膜プロセスを完全に自動化したMBE成膜システムを構築し、1原子層以下での原子層制御エピタキシ-を実現した。このシステムを用いて、半導性を有するチタン酸ストロンチウム(STO)基板上に、チタン酸バリウム(BTO)--チタン酸ストロンチウム(STO)の人工超格子および化学組成が連続的に変化する人工変調構造を作製した。その結果、半導体/誘電体で完全に格子が整合した理想的界面が得られ、誘電体層の物性を精度良く評価することが可能となった。BTO-STO人工変調構造は、両者が単に混合した固溶体とは異なる物性を示し、特に強誘電性ヒステリシス曲線の形が大きく異なることを明らかにした。
3)サファイア基板上に半導体の酸化亜鉛を蒸着し、さらにその上に強誘電体であるタンタル酸リチウムを蒸着して半導体/強誘電体の積層構造を作製した。この薄膜について、分光エリプソメトリーにより光学物性の評価を行った。透明酸化物のヘテロ薄膜のエリプソメトリーに関しては従来までいくつかの問題があったが、本研究ではそれらをほぼ全て解決し、精度良く光学定数をきめることができた。得られた値はバルク単結晶と非常に良く一致した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
神谷 利夫 | 東京工業大学 | 大学院・総理工研究科 | 助手 | (Kakenデータベース) |
大橋 直樹 | 東京工業大学 | 工学部 | 助手 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】1996 - 1997
【配分額】7,700千円 (直接経費: 7,700千円)