分子性結晶薄膜試料における物性制御の光学的研究
【研究分野】物性Ⅰ
【研究キーワード】
光誘起状態変化 / 光誘起相転移 / 分子性結晶 / 薄片試料 / 光誘起ダイナミクス / 時間分解分光 / 光機能性物質 / スピンクロスオーバー錯体 / 光学スペクトル / 時間分解分光測定 / 光誘起スピン状態変化 / 分子性固体 / 光機能素子 / スピンクロスオーバー現象 / 分子性導体 / 電荷整列 / 光物性 / 強相関エレクトロニクス
【研究成果の概要】
特に分子性結晶固体の薄片試料を用い、外場を制御した基での光誘起状態変化の様子を調べる事で光機能性物質の探索設計を目指し、メカニズムの解明と共に物性評価方法の確立を試みた。
金属絶縁体相転移を示す分子性導体結晶の電子及び分子内振動スペクトル測定をバルクおよび薄片試料で比較した。両者は定性的に良く一致し、薄片を用いる事で簡便かつ正確な物性評価が可能だとわかった。薄片試料を用いる事で時間分解分光の定量的な解析が容易になりダイナミクスを詳細に報告する事が出来た。
また、励起波長に依存した光誘起状態という新しい光誘起状態変化がスピンクロスオーバー錯体複合試料で起こる事を光学的手法で確認する事に成功した。
【研究の社会的意義】
本研究課題の成果により、分子性結晶固体の薄片試料の物性評価手法が確立し、今後様々な類似の結晶試料に適用していける事が分かった。これまでバルク試料を用いる事でしか物性評価をする事が出来なかったが、今後は透過配置での簡便な分光測定を行う事が出来る事になる為、物性評価の期間短縮かつより高度な測定に挑戦する事が出来るようになると思われる。また、新規な光誘起現象を確認出来た事から、今後はそのメカニズム解明を続ける事で、新規光機能性物質の開発指針の確立に繋がると考える。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2016-04-01 - 2019-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)