自営業の衰退:再訪
【研究キーワード】
自営業 / マネジメント / プラットフォーム / 開業 / 雇用仲介
【研究成果の概要】
総務省『就業構造基本調査』『労働力調査』についての統計法第33条を根拠とした目的外利用申請により個票が利用可能になった。これらのデータを用い、研究分担者の照山氏が中心となり自営業と非正規雇用、正規雇用の間の流出入についての推計を進めたほか、技術補佐員の加島遼平氏に助力を仰ぎながら、学卒時の労働市場の悪化がその後の就業率などに影響を及ぼすかについての推計を行い、その際自営業の存在を加味することを検討した。また、夫婦の労働供給について、夫の労働時間が減少した際の妻の労働時間の変動について、研究協力者と協力しながら自営就業者と被用者との比較を開始する準備を整えた。とくに、2021年1月に開催されたASSA Annual meetingで報告したおりには他の参加者から自営業との比較についての興味深い示唆を得た。さらに、OECDのCentre for Opportunity of Equality 所属の方々と欧州における自営就業と、新型コロナウィルス感染症の流行によるロックダウンの影響についての研究について議論を進めた。企業内のダイバーシティの達成と、社会としてのダイバーシティの達成(業種によるすみわけ)のどちらがよいかといった新しい論点が提起された一方、新型コロナウィルス感染症の影響についてはデータの関係上評価は時期尚早との結論を得た。
2021年度以降に予定されている開業時から3年間の経営指標のパネルデータ化の準備として、米国の先行研究であるStripe社とスタンフォード大学との共同研究を参考に、スタートアップ企業をプラットフォームの立場から支援する企業等から協力を得られないか検討を開始した。並行して、日本政策金融公庫など政府系機関にも連絡をとり、協力を打診し始めた。
【研究代表者】