数値解析と要素実験を通信結合させた自己学習型RC構造物性能照査システムの開発
【研究分野】土木材料・力学一般
【研究キーワード】
RC構造物 / 数値解析 / 局部変形 / 通信プロトコル / 確立有限要素法 / 仮想材料モデル / 材料の不確定性 / エレメントフリー法 / 地中構造物 / 隅角部 / 寸法効果 / せん断破壊 / 鉄筋配置 / 応力伝達機構 / 非線形解析 / 局部破壊 / 亀裂内浸透流 / 確率モデル / 破壊計測
【研究成果の概要】
一般に局部変形の卓越する部材や鋼材が局部座屈する領域が内在する場合,すべての挙動を数値解析で追跡することは未だ困難である.そこで本研究では,実験によって代表させた領域での局所変形と力の関係に関する情報をそのまま構成則開発の検証データとするシステムの構築、並びに上記システムを構築する上で不可欠となる新たな解析手法及び設計手法の開発を目的とした.その結果,新たな知見として以下に列挙する研究成果を得る事が出来た.
(1)解析-実験システム間の通信プロトコルの雛形の開発
開発された通信プロトコルはデータ形式の拡張性・データの大規模化・分散/並列環境を考慮し,一般に広く用いられているDocument方式を採用した.開発された通信プロトコルを用い,小規模LAN内で通信試験を行い検証した結果,非線形性が小さい領域では概ね問題なく動作する事が確認された.
(2)エレメントフリー確率有限要素法の開発
材料の不確定性のみならず,複雑なRC構造物を容易にモデル化する事を可能にする事を目的に,エレメントフリーガラーキン法を摂動展開及びPolynomial Chaos展開を用いて拡張した確率有限要素法を開発した.開発された手法を様々な境界条件におけるモンテカルロシミュレーションの結果との比較により,その有効性及び効率性を示す事が出来た.
(3)自己質量調整型仮想材料モデルの開発
地中鉄筋コンクリート構造の接合部および隅角部に対して,自己質量調整型仮想材料モデルによって配筋を生成し,施工が前能で,しかも曲げせん断力を適切な裕度で伝達できる設計を提示した.本研究成果の特質としては,せん断破壊の寸法効果が顕著となる大型部材に対して特に有効である事が言える.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
足立 正信 | 東電設計(株) | 技術開発本部 | 部長(研究職/">(Kakenデータベース) |
石田 哲也 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
前川 宏一 | 東京大学 | 大学院・工学系研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2002 - 2003
【配分額】14,300千円 (直接経費: 14,300千円)