イオンバランスに基づく脱塩後コンクリート構造物の鉄筋発錆限界評価と長寿命化
【研究キーワード】
脱塩工法 / 塩害 / 発錆限界塩化物イオン濃度 / 鉄筋防食効果 / イオン分布 / 鉄筋コンクリート / 表面保護工法 / 発錆限界塩化物イオン
【研究成果の概要】
[Cl-]/[OH-]並びに種々の電気化学的腐食指標による脱塩工法適用後のコンクリート中の鉄筋腐食発生限界について検討した。水溶液を用いた実験の結果より,塩化物イオン濃度が一定の場合,pH12.5付近を境に不動態皮膜の腐食抵抗性が大きく異なる可能性が示唆された。また,鉄筋の電位も不動態皮膜の腐食抵抗性に大きく影響を及ぼすことが分かった。また,水溶液中とモルタル中の腐食挙動の傾向はおおむね同じ結果を示した。鉄筋電位が同じであれば,一般的なコンクリートと比較して,脱塩工法適用後のコンクリート中の鉄筋腐食抵抗性は向上する可能性が示唆された。
【研究の社会的意義】
脱塩後コンクリート中の鉄筋腐食発生限界について,[Cl-]/[OH-]ならびに電気化学的指標を用いて評価,検討した点に学術的意義がある。本研究で得られた結果は,脱塩後コンクリートのみならず高アルカリ環境下にあるコンクリート中の鉄筋の腐食抵抗性について理解を深めることに繋がり,ひいては,塩害環境下にあるコンクリート構造物の長寿命化に資する。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)