リモートセンシングとGISによる都市の動的変化に対応した広域エネルギー収支の評価
【研究分野】建築環境・設備
【研究キーワード】
地理情報システム(GIS) / リモートセンシング / 都市計画・建築計画 / 交通需要マネージメント / 建築環境・設備 / 地表面熱収支 / VWTI / 市街地空間シミュレーション / エネルギーの面的利用 / 自動車排熱 / 居住環境ストレス / 省エネ行動促進 / 介入手法検討 / GIS / 熱収支 / 環境解析 / 未利用エネルギー / 地域エネルギーシステム
【研究成果の概要】
本年度は最終年度であり、これまで2年度の研究成果を踏まえたまとめを行い、これを以下のような内容の報告書としてまとめるとともに学会発表を行った。
衛星データを用いて、愛知県名古屋市を対象として熱収支解析を行い、人工顕熱フラックスと蓄熱フラックスという2種類の方法で熱循環の評価を行った。人工顕熱フラックスでは、都市や工業地域の人工排熱が見られ、また、植生域の結果と比較を行うことで、植物現象による影響の度合いを明らかにすることができた。ただし、場所による地表面の熱物性の違いを簡略化しているため、高層建築の建ち並ぶ中心市街地では、人工排熱の効果を蓄熱の効果から分離することができなかった。一方で、蓄熱フラックスによる解析の結果からは、都心部での蓄熱と工業地域における人工排熱の空間分布を得ることができた。
建物・施設エネルギーグループでは、GISを用いた負荷密度予測のまとめを行うとともに、居住環境に関する心理分析、居住環境に関する社会調査をまとめを考慮sして、自然エネルギー、未利用エネルギーなどを含む建築・施設エネルギー消費の変化、それに伴うCO2発生量の変化を推定した。またCFDを利用して空調設備排熱が都市気候に及ぼす影響を検討した。
交通グループでは、交通廃熱量の推定、交通システムの変化のシナリオ設定、交通政策などをもとに交通手段選択モデルを構築し、これによるモーダルシフトの試算を行った。
また省エネルギーのための要素技術として、セダムと軽量人工土壌による薄層屋上緑化を対象にその効果推定を本研究で作成したシュミレーションプログラムを使用して行った。その結果,適切な潅水を行えば,日射量の約半分に相当する熱量が蒸発散により放熱されることを確認した。
【研究代表者】