高性能計算を利用した構造物地震応答解析の解析モデル妥当性の方法論の考案
【研究キーワード】
地震応答解析 / 大規模数値計算 / 解析モデル自動構築 / 不確定性定量化 / 地震動 / 数値解析 / 妥当性確認 / 高性能計算
【研究成果の概要】
本研究での具体的作業は,1)超大規模解析モデルの地震応答解析,2)超多数解析モデルのモデル構築と地震応答解析,3)二つの地震応答解析を基にした妥当性確認の方法論の考案,に分けられる.
第一の作業に関して,本年度は,超大規模解析モデルの改良を継続した.構築済みの自由度1,000万の解析モデルに対し,適切な構造要素を導入し,自由度を下げながら,解析精度を逆に上げるような,ハイブリッド解析モデルの構築が可能であることを検討した.この検討に基づき,曲梁・シェルの理論を再構築し,高精度の構造要素の定式化・開発に着手した.昨年度に改良された,有限要素法のソルバの性能を活かし,高速計算の実行も続けた.MPCの利用も含め,改良されたソルバの有効性を検証することも実施した.
第二の作業に関して,本年度は,構造物の超多数解析モデルを使った数値解析の実施を試行した.なお,規模は小さいものの,超多数解析モデルもハイブリッド解析モデルであるため,上述の改良されたソルバの有効性も検証した.また,超多数解析モデルの解析結果は,解析モデルの数に比例して増大するため,適切に間引くことが必要となる.昨年に引き続き,適切な間引き方を検討した.部材と部材の接合部の取り扱いの高度化を検討した.超多数解析モデルを使う利点として,接合部の不安定な接触挙動に対し,決定論的な評価に代わる確率的な評価を試みた.
第三の作業に関しては,着想中の主応力座標系を利用した構造物地震応答の効果的な可視化の実用化を検討した.昨年度,主応力が作る流線を可視化することに成功したが,これを一歩進め,流線から座標系の可視化に発展させた.主応力座標系を正しく関数として離散化することで,流線に代わる座標関数の支配方程式を導出することに成功した.これは,線の代わりに,座標が一定値となる面が決定できることを意味する.
【研究代表者】
【研究分担者】 |
本山 紘希 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) | システム工学群 | 講師 | (Kakenデータベース) |
澤田 昌孝 | 一般財団法人電力中央研究所 | サステナブルシステム研究本部 | 上席研究員 | (Kakenデータベース) |
市村 強 | 東京大学 | 地震研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
Maddegedar a.L. | 東京大学 | 地震研究所 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2018-04-01 - 2023-03-31
【配分額】42,510千円 (直接経費: 32,700千円、間接経費: 9,810千円)