都市空間の持続可能な社会ストック化の方法論に関する研究
【研究分野】交通工学・国土計画
【研究キーワード】
都市ストック化 / 成熟経済 / 少子高齢化 / 持続可能な都市 / 都市計画コンセプト / QOL / 景観評価 / 情報公開と協働 / 接続可能な都市
【研究成果の概要】
a)住宅および商業業務の立地分布に関する検討:
モータリゼーションに依拠して無秩序に拡大した市街地を再びコンパクト化するために、撤退・再集結地域を特定するためのモデルシステムを構築した。その際の評価概念として、自然災害のハザードマップの考え方を拡大した「Social Hazard」という評価指標を提示している。さらに、都市コンパクト化によって生じる街区内の土地利用および建物分布の変化を敷地単位で予測するモデルを提案した。
b)都心部・公共交通結節点付近・郊外部を対象とした街区の詳細検討:
第2次大戦後の世界各国の都市政策-アメリカの「都市再生」、イギリスの「ニュータウン」、フランスの「ヴィル・ヌーヴェル」、イタリアの「INA-カサ」等-を比較・検討することにより、メトロポリスの膨張とその抑制政策の実態を把握した。またそうしたメトロポリスの膨張に対して、鉄道駅・空港といったターミナルがどのような役割を果たし、どのようにデザインされたのかを分析した。また、愛知県豊田市の中心部を対象に、環境資源と既存の都市構造およびコミュニティを活かした「まちなか再生モデル」の検討を行い、マスタープランと街区デザイン例を作成し、地域でワークショップを開催した。
c)計画実現のために必要な施策に関する検討(冨田・奥田・森杉):
将来の人口構成の変化、住宅ストックの変化を考慮しながら、地方都市中心部における住宅ストック形成事業の成立可能性について定量的に評価する方法を開発した。また、この方法を用いて、愛知県豊田市における住宅ストック形成事業の成立可能性について計量分析を行い、事業を成立させるための幾つかの条件を明らかにした。
【研究代表者】